トモコヴォイス会報誌vol.79

「本屋さんとの出会い」
ーエルム書房街かどライブー

 

私は8年前に本郷台駅前の本屋さんの前で演奏をしだした。

はじめは栄警察署で許可を得て、本郷台駅前広場で演奏をしていたのだが、
許可がおりなくなってしまい演奏ができなくなってしまったところ、
このエルム書房さんが快く演奏をさせてくれたのがはじまりだ。

 

 

 

 

 

 

 

月に一回、多いときは週に一回、演奏していた。
駅前の大きく開けた空間、道路を挟んでバスターミナルや駐輪場があり、
バスを待つ人や、電車に乗る人たちや帰宅の途中の人たちへと話しかける。

初めはだれも聴いている人がいなくても少しずつ集まってくれたり、
本当にたくさんの人に集まって聞いてもらったり、毎回、毎回、来て
下さる方もいたりとたくさんの思い出がある。

お店の方もとても温かい人で、地域のポスターや栄公会堂の催し物のチケット
や私のコンサートチケットも快く販売をしてくれていた。

本郷台地域へ貢献、また情報発信源にこの本屋さんはなっているんだなと感じていた。

ベレー帽をかぶった店長のおじさんが、ぶらりやってきてひとことギャグを言っていく。
それが面白く、面白くなかった(笑)としても本当に心を和ませてくれた。

ある時、お酒を飲んで近寄ってくる男性がきた。
路上演奏とは、何が起こるかわからない。

店長のおじさんは私が知らない間にすぐに警察を呼んでくれた。

すぐに警察官がきてその人をひと投げしてお縄頂戴になった。
ひぇ~まるで映画かテレビのようだった。

私も事情聴取で警察に行くことになってしまい、
その日の演奏はそのまま中止となってしまった。

そんなハプニングがあってもエルムのおじさんの早い対応に感動し、
いてくれることが心強かった。

歌っていると近所の知り合いのおばさんがたまたまとおりかかって、
歌っている最中にも声をかけてきてくれたりした。

お買い物帰りにお母さんと幼稚園の男の子は手拍子をしてくれたり、
踊ってくれたりそれを見るのに人が集まったりした。

目の前にあるベンチや花壇に腰をおろしゆっくりと聞いてくれる人、
遠くのほうで立ち止まって聞いてくれる人、
その時、その時で、お客さん、雰囲気も違って、

まさにライブ感抜群の
『エルム書房街かどライブ』
をやってきた。

そんなエルム書房が今年2月いっぱいで閉店となってしまった。

本当にさみしい。

時勢なのか、町の本屋さんが存続していくのは難しいのだろうか。
私の故郷、地元の人々と触れ合うことができたことが
とても私にとって大きかった。

たくさんの出会いや感動を頂いたことに感謝の気持ちでいっぱいだ。

 

 

 

 

 

tomoko
トモコヴォイス紙面会報誌 vol.79より
(2014年4月1日)

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