トモコヴォイス会報誌vol.45

「将来の夢」
– 子共の好きの力!~世界一小さいバス会社-

 

子共の頃、よく文集などで将来何になりたい?
と夢を語ることがよくある。
プロ野球選手、新幹線の車掌さん、先生とかが多かった気がする。

幼稚園の時から歌が好きだと自覚していた私だが
「歌手」とは言えなかった。

そんなこと人に言えない、はずかしいし、なれるわけないと
人に言われてしまうだろうと、私は母の仕事の「看護婦さん」と
体裁よく書いていたものだ。

一番は歌うことだった。
テレビのアニメ主題歌をテープにとって歌ったり、小学生の時には、
まだ英語も話せないのに、耳で聴いた音をまねて英語の歌を歌っていた。
そう、私は今まで好きなことをずっとやってきている。

お正月にみたテレビ番組ですごい話に感動した。
それは銀河鉄道の山本宏昭さん(47歳)を紹介していた。

彼は子供の頃からいつも家の前のバス停に停まるバスを見ていて
バスがとっても大好きになる。
ディーゼルエンジン特有のプシューッという音もカッコよく感じてしまう。

バス会社によってバスの形、色も違うがすべて覚えてしまう。
バスに乗る時は一番前で運転手さんの動きをじっと見て運転の
仕方を覚えてしまうほどで大人になって受けた運転試験には
一発で合格。

大卒の彼はバス会社に就職したかったが、その時代バス会社は
大卒はとらないということで就職できなかった。

運転手になれない彼はなんとバスを購入。

実家の居酒屋で働きながらマイバスを磨く毎日。
休みには車掌のカッコをしながらマイバスを運転。
本当にバスマニアなのだ。

でもそこにはお客さんはいなかった。

そう、やっぱりバスを持つだけでは叶わない、
お客さんを乗せてバス停を周る

「バスの運転手は客の笑顔を運ぶ」

・・・本当にやりたかった夢は「笑顔を運ぶこと」だった。

山本は三十六歳にして、再度、夢への挑戦を始めた。

世界一小さなバス会社『銀河鉄道』を設立した。
そしてチャンスがやってくる。

東京の郊外、東村山市で路線バスの選考が行われた。
もちろん大手バス会社も参加する。

彼は幸運にも、酒屋の配達でその地域を熟知していた。
彼独自の病院前までバスで行けるなど地域の人に
親しまれるバス路線を考え始めたのだ。

そして晴れて合格。
笑顔を運ぶ路線バスの運転手となった。

現在は社員40人、20台のバス。
赤字が続いているものの、夢を叶えているのだ。

彼も私と同じように、バスの運転手とは文集で書けなかったらしい。
電車の車掌さんといっていたらしい。

そのテレビの司会者の村上龍は子供が、好きだってことを素直に言える
ような世の中になってほしいといっていた。
そうだなぁと共感する。

子共の頃に好きと感じるとじっとみていたり、まねてみたり、
自分で好きと自覚する前に行動しているのだろう。

きっとその気持ちは心の中の奥深くにしっかりあって
大人になってもずっとある。

ただそれを満足させるがために行動するだけなのだ。
そうするといつの間にかそうなっている自分が大人になっている。

好きなことをすればするほど満足する自分を感じて、
またやりたくなる。
その繰り返しなのかもしれない。

その経過途中に出くわす大変なことも
そんなに苦と感じないのかもしれない。

子共の好きの力のすごさの再確認だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

tomoko
トモコヴォイス紙面会報誌 vol.45より
(2011年2月1日)

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