トモコヴォイス会報誌vol.80

「みんなでつくるコンサート」
ーtomoko 2014 ピアノ弾き語り

 

5月3日は昨年のクリスマス以来のリリスホールでコンサートだった。

 

 

 

 

 

 

今回はリクエスト曲をピアノ弾き語りで歌う。
どんなコンサートになるかはリクエストがそろうまでわからない。
ハラハラドキドキだ。

でも私はどんなリクエストが来るか楽しみだった。
どんな曲でも、私なりにアレンジして歌っちゃおう~の気持ちで臨む。

面白かったのは、渥美清の「男はつらいよ」。

「以前、女性ジャズシンガーが、ピアノ弾き語りでこの曲を
カッコ良く歌っていたのを聴いたのでリクエストしました」
ということだった。

私は「よ~っし、きた~」って気合いが入る。

さぁ、どんなアレンジをしようと、まず自分の歌のキー決めからスタート。
インターネットのYouTube(動画サイト)でだれが他に歌っているか検索をした。

そうすると八代亜紀さんが歌っていた。
女性なので彼女のキーも参考にしながら自分の歌に合わせる。

やっぱりイントロは寅さんのイントロだからはずせないしなぁっ
とピアノの前に座る。

譜面をみると、お~、これは台詞まであった。
これは私が言うべきではないだろうなぁっと、
こんな風に自分の中に「男はつらいよ」が入っていく。

カントリーミュージックで「Paper Rosie」は、実は私の
ヴォイストレーニングのレッスン生からのリクエストだった。

これはとてもシンプルなコード進行、メロディ。
歌詞に魅力があるものだ。

アメリカの田舎町で年老いた女性が
紙で作ったバラを売っていく様子を歌っている。

どうアレンジをしようか考えた。

このままでは何か自分の中で引っかかる。

ピアノ一本で英語歌詞の物語を歌うこと、また曲の順番も
「Take me home, Country Road」の前で同じ調子が続くようで、
このままだと、どうしても音的に飽きてくるのではないかと思ったからだ。

私はこの曲の4拍子を6拍子に変えた。

6のフィールにのってリズムをだそうっと、そしたら楽しいかなと歌ってみる。

英語の歌詞は自由に6拍子にのる。
よし、これでいこうっとなった。

自分なりの基準がある、自分で納得して進めていく。

「If You Say So」という曲の背景は、アメリカのテレビドラマGlee(グリー)の
主人公の女性が歌った曲で、その恋人役だった彼、また実生活でも本当の恋人
だった男性が昨年、ドラッグとアルコール依存で亡くなった。

愛しい人を亡くした後、一週間後の気持ちを歌っている。

彼が急にいなくなって焼けるような心の痛み、顔を見たい、
まだ言いたいことがたくさんあるといった歌詞が続く。

さみしさ、悲しさ、つらさ、また怒りなどそんなものも言葉と
美しいメロディに濃く現われている曲だった。

私の父を交通事故で亡くした時の気持ちに重なるものがあった。
歌っていて涙が出そうだった。

いろいろな曲があって、とても勉強になる。
それぞれの曲には作った人の思い、聴く人の思い、
いろんな人間の思いが詰まっていく。

それを私にリクエストしてもらえるということは、
本当にありがたい光栄なことだ。

そんな人々の思いを反映、またリクエストにこたえられるだろうか。

不安もありながらも本番はそんな準備をし、
ピアノとマイクに向かっていくだけだ。

そしてステージ上で、みなさんと向き合う。
私が感じるのはみなさんのやさしい眼差しだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

だから安心して歌いだせると思った。

リクエスト曲を紹介しながら進めていくと
私だけでなく、ここにいるみんなで作っている
コンサートだなぁって実感した。

この機会を与えてくれて、まだまだ切磋琢磨しなくてはいけないと
反省しながらも本当に涙が出るほど、感謝だった。

ありがとう~~。

 

 

 

 

 

 

 

 

tomoko
トモコヴォイス紙面会報誌 vol.80より
(2014年5月11日)

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